【Loneliness】ゼンジン未到とヴェルトラウム~銘銘編~より

On January 12, the release of 『lulu.』🍃

Loneliness

聴くっていうよりさらわれる感じやもん…

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(出典:@MrsGREENAPPLE_Official)

【Loneliness 】― ゼンジン未到とヴェルトラウム〜銘銘編〜 より
考察者:なもさん / 校正:まるたち
なもさんは、演奏やリズム、音響バランスなど、音楽の“音”そのものから楽曲を深く味わうことを得意とする考察者です。
この記事は、レビューや感想を重ねながら作品を読み解き、自身の演奏経験や音響的な観察力を活かして、楽曲の「鳴り」の世界を独自の視点で記した作品論です。

ゼンジン未到とヴェルトラウム〜銘銘編〜


『Loneliness』が刻む、
孤独と衝動のサウンド

🌑 始まりと確信

イントロに至る前の前奏が、すでに圧巻だった。
大森のキュー出しからバンドが入ってくると、かっこいいバンドサウンドが、まっすぐ耳に飛び込んでくる。

音のコード感から、なんとなく曲は想像していたが、まだ確信には至らない。
ドラムはスネアで粒の細かい奏法を織り交ぜ、足はツインペダルでヘヴィメタルばりの音を鳴らす。
音もヘヴィ寄りに振られている。

後ろの大きなモニターには、藤澤の姿が映る。

難解なフィルのあと、若井のあのギターフレーズが、間髪入れず飛び込んでくる。
その瞬間「Loneliness」だと確信する。
確信と同時に、寒気がするほどの感動が一気に押し寄せてきた。

なんか、バトル始まる前の静寂みたいな緊張やってん……

ぷち、この時、わかってたもんっ!
だから…ひそかに震えてたぷち…

🌑 荒ぶる静けさ

死にたい今日も 仕方がないでしょう?
そんな刺激的なことばから、このAメロは静かに始まる。

音としては、終始シンプルにバスドラ4分で淡々と踏み込む構成。
そのまっすぐなビートが、むしろ逃げ場のなさを際立たせる。

ブレイク後に入るスネアのフラム奏法を交えたフィルは、男前という表現がぴったりだ。

逃げられへん…って感じが、逆にすごい安心したんや…。
それがろろんの感受性ってやつやん…?

🌑 気配を操るレイヤー

誰にも何も もう何も期待はしないけど 君を好きでは居たい
そんなふうに、諦めをにじませながら、このBメロは進んでいく。

バスドラムは16分音符を交えた跳ねるようなリズムで、リズムがメロディに絡み合う。
その揺れるビートが、言葉にならない感情の動きを繊細に表現している。
とくに16分の操り方は色っぽく、この世界観を漂わしている。

次の展開に向かう直前のフィルでは、スネアからタム、そしてフロアタムへ。
フロアタムにうつる音の強弱、一音一音が耳に絡みつくような妖しい気配を感じる。

爆音で脳と胸を焦がして
そのままサビに流れ込む。
サビの展開では、地を這うように4分でバスドラを踏み込み、重たいリズムが身体の芯に届く。
リズムの存在感が内面を物語るように、重圧の存在感が前面のレイヤーにのしかかる

🌑 割れる感情の輪郭

痛々しい痕も 言い出したい過去も
この一節を支えているのは、ベースの淡々とした刻み。
揺らがず、ただまっすぐに打たれ続けるリズムは、奥深くにある鼓動をつなぎとめているようだ。

誰かに頼れる日が来るまで
ここから、4分のバスドラム、シンセベースも同期してくる。

ドス黒い中に光があったらいいな
若井のギターのリフが入る。
音の移動が細かく、まるでメロディに反発する、もうひとつの声のように動いている。
その異質とも思える絡み方が、抗えないほどにかっこいい。

そして

その身を好き勝手したいのです
欲望を吐き出すようなフレーズと若井のギターのハンマリング音。
間髪入れずに叩き込まれるドラムのフィルが、感情を割くようだ。

音が泣いてるみたいで……ろろんも泣きそやった…
てゆうか、泣いてる…

🌑 堕ちていくように

呆れる程にもう誇りはない~
人ならざるものなのかもしれない
リズムの芯となっている太いベース。
ドラムが織り交ぜる16分音符は絶妙な後ノリで、このベースと絡み合う。
ベースがリズムの芯となっていることで、しっかりとしたグルーヴを成し自然と体が4分に動く。

愛の起源 理性と許容を飛ばして~
堕ちてゆく深くへ治らないロンリネス
リズムは一貫して4分を崩さない。
安定したグルーヴから、逆に抜け出せない感覚となって体に刻み込まれている。
堕ちてゆくように、頭を揺らす藤澤の姿はその世界の深さを物語っているように見える。

🌑 魂を吐く音

ギターソロ、若井の時間。

シンプルなバスドラムのリズムの上で、天を仰ぎ、かきならす音は言葉にできない叫びのようだ。
答えのない叫びが吐かれるように響く。
その響きは、祈りのようにも思える。

このギター、きっと心の奥で誰かを呼んでる音や…って思ったんよ……

🌑 えぐる体温と異質な軸

絶頂ね あそこもここも濡らして
大森はステージに這っている。
藤澤の音が大森をサポートしている。
若井もクリーンな音で入ってくる。

触れられない時も心を絡ませて
スネアドラムでリズムを刻みだす。
とても神秘的なアプローチだ。
大森とは違うメロディを引き出しながら若井もここに絡み、同時に存在する2つのメロディが同じ時間に共存している。

刻まれるリフ、歌のアクセント、この「時間」に存在するバラバラの音を、絡みつくスネアドラムがまとめている。
それを表現するかのように、ステージ中央の大森は身体をねじりながら腕を絡ませる。
大森の動きと音のリンクは、この異質な世界の軸を見ているようだ。

この曲の本質が垣間見える。

🌑 次元を裂くキメ

誰にも何も~異物を見たい
爆音で~曝け出すロンリネス
音がさらなる力強さをまとい、その中でフィルの後に訪れるアクセントをずらした一発のキメが衝撃を与える。
このキメによって「別の次元」に引きずり込まれていくようだ。

ぷちはな…それで…帰ってこれなくなったかと思ったぷち…

🌑 弧の世界

君という刺激で気付かされるロンリネス
最後のフレーズは、大森の歌とベースで締めくくられる。
音が抜けていく中、まるで夢から静かに覚めたような感覚が残る。

🌑 「Loneliness」という次元

無音。

ステージに鳴る音。
照明の陰影。
その場にいた人々の息遣い。
それらすべてが、ひとつの楽曲に絡みついていた。

リンクしていたのは、音楽だけじゃない。
声も、光も、視線も。
そのすべてが、『Loneliness』という世界へ没入させるための鍵だった。

爆音を浴びているはずなのに、気づけは「無音」という孤の世界に立っている。

🌑 果てなきミセス

それでもやっぱり言いたい。
「このサウンド、めっちゃええ!!」

五感どころじゃない。
引きずられ、全部持っていかれる感覚。

あえて触れてこなかったが、大森の歌唱力、表現力はいうまでもない。
歌詞に気持ちを込めるという生易しいフレーズでは収まりきらない、青い炎のような熱を感じる。
しかし、大森はきっとそんなことを思いながら表現してるわけではない。
「どう見せるか」「どう感じさせるか」すべては計算されつくした動きを作りだしている。
そして、まんまと大森の思い通りに操られてしまうのだ。

ろろんはぜんぶ見破ってるつもりやった。
でも……一瞬で、ぜんぶもってかれた…

ろろん…。
ずっとないてただけっぷち。

『Loneliness』はミセスのもうひとつの顔?
いや、これはただひとつに過ぎない。
彼らの音楽に果てがないことを改めて感じる一曲である。

A magical record drawn from a captured moment.
『Loneliness』 ― ゼンジン未到とヴェルトラウム〜銘銘編〜
Mrs. GREEN APPLE
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【ぷちの観察日記】
魔法録のURLが、まるたちの知らないXアカウントのプロフィールに記載されているみたいぷち…。
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ほかは魔法録とは関係ないぷち。ぷち、しらんぷち。
あやしい風に、気をつけてぷち。(ぷちより)
    🍃 これまでの観察日記は妖精のあしあとにあるぷち。
まる
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